寝占理絵 (マザーリンク・ジャパン代表)
私たちは岩手県の被災地域にサポート校を創る為の資金を募っています。
第一弾では多くの方からのご支援で音楽室を建設し、 第二弾では本校舎の基礎工事と屋根までの工事資金を募りました。
この第三弾では、買増し分の土地の購入費用、浄化槽、外壁工事等の費用を募ります。
東北は建設費用も高騰し、なかなか適正価格で引き受けて下さる 建築業者さんが見つからなかったりと、亀のような歩みではありますが、 それでも私たちは諦めるわけにはいきません。
皆さん、どうか助けてください。私たちはひとりの子どもも見捨てたくありません。
私たちにはどうしても救いたい子ども達がいます。
「まだ東北の支援をしているの?」と聞かれます。
はい。まだやっています。だってまだ解決してないからです。
「他の被災地の支援はしていないんですか?」と聞かれます。
はい、やってません。ここの子ども達のことが解決していないのに、 他のところには行けません。
私たちの物語を最後までお読みいただき、ご支援いただければ幸いです。
あなたは知っていますか? 東北の被災地域では震災から8年たった今でも、 学校に通えないままの子どもたちがいることを。
東北の被災地域では津波によるPTSDなどで、不登校の子どもが増えました。私たちはこのことを『ひとり親家庭』支援の中で知りました。
放っておくわけにはいかないと動き始めたのは2015年9月のことでした。 震災後、被災地域では不登校の子どもが急速に増えました。 あの震災から8年が経過しましたが、子どもたちの3.11はだ終わっていません。
新聞の発表では震災後、被災地域の不登校は他の地域と比べて9倍と発表されました。※2014年3月15日河北新報朝刊 社説
お母さんたちの話によると震災前の5倍。1クラスに5人も不登校の子どもがいたクラスもあったそうです。
震災から8年経過し不登校から成人を迎えた、今でも引きこもりのままの子どももいます。
『第三弾 僕らの学校を創ろう!プロジェクト』はこういった子ども達を救う為のプロジェクトです。
PTSDの影響で8年たった今でも学校に通えないままでいます。
学校に行けないまま仮設住宅と災害公営住宅で8年が過ぎました。同じ年頃の子どもの中で成長する大切な時期を丸ごと8年間失っていると思うと本当に居たたまれない気持ちになります。本来ならこの春高校1年生です。母子家庭の子どもです。私が知り合った当時、まだ小学生のその子がお母さんから離れられない為に、シングルマザーのお母さんは働きに出られずに、生活に困窮してました。
震災後学校に行けなくなりリストカットと自殺未遂を繰り返しています。やはり母子家庭です。お母さんは仕事に行くときに、家の中の刃物を隠して出かけます。それでも、コンビニでカッターを買って手首を切ったことがありました。
「寝占さん、どこにいるの?〇〇さんのお嬢さん手首切って救急車で運ばれたから、様子見に行ってやって!!お母さんきっと参っているから。」そんな電話が近所のお母さんからありました。
震災以降母親への暴力が始まり、不登校に。
無事高校に入学し夏休み明けの二学期、中学校の制服を着て学校に行こうとしました。
彼の中では自分が中学一年生の自覚しかありません。中学一年の二学期から高校一年の夏休みまでの記憶が消えていたそうです。津波の記憶も消えていました。
学校に行くと周りは知らないクラスメートばかり。パニックになりました。そして学校に行けなくなりました。
この男の子はその後記憶を取り戻し、無事専門学校に進学しました。しかし、男の子が学校に行けるようになった頃、今度は妹が学校に行けなくなりました。
お兄ちゃんの状況を見ていた妹はその間お母さんに甘えられることもなく、不安定な気持ちを抱えたまま、1人で頑張っていたんです。
その後私たちの支援で、その女の子も外に出られるようになりました。
自営のお父さんの職場が負債を残したまま流され、事業立て直しの為に更に負債を抱え、家に時間も減りました。収入も減り、家に帰っても苛立ち、いつも難しい顔をしています。
そんなお父さんの態度にお母さんが情緒不安定になりました。そしてそれが伝染するように、高校一年の女の子が不登校になりました。マザーリンクの支援で今では学校に行けるようになりました。
今はもう二十歳を過ぎています。今もまだ家から出られずに引きこもりのままです。
その他にも、震災の影響により心のケアが必要な子どもが大勢いました。
マザーリンクは東日本大震災の震災直後に、親子支援やシングルマザーへの支援をスタートし、2013年には被災地域の『子どもの貧困対策』として、自分たちの足で世帯調査をし、仮設住宅に入居する『ひとり親家庭』を個別訪問で支援してきました。
私たちが支援をしてきたご家庭は215世帯です。
その活動の中で『不登校の子どもが多いこと』を知りました。 何とかしないとと動き始め、岩手県の被災沿岸部に不登校の子ども達の為のフリースクールがないことも知り、『フリースクールを創ろう!』と動き始めたのは2015年9月のことでした。
まずはフリースクールの開設場所を見つけるところから始めました。 陸前高田は津波で街ごと流され、お借り出来るような建物はなかなか見つかりません。
それでも市役所の方の紹介で「見つかるまで一時的になら。他の場所を探すことを前提に。」という大家さんとのお約束の元、元々お寿司屋さんだった建物をお借りすることが出来、『仮の場所』でフリースクール『おひさまの家』を開設しました。
これまでの沢山のお母さん達から相談があり、独自のメソッドで2018年までの約三年間で30名近い子どもを再登校に繋げることが出来ました。 しかし、震災の影響でPTSDになったりと深刻な状況の子どもたちはまだ来ていません。
理由は『場所がなかったから』です。
その場所は狭く、お母さんたちが相談に来ても、そこにいる人全員に聞こえてしまいます。仕方なく、外に出て車の中で話を聞いたり、飲食店を利用して対応しました。
実は当時、仮の『おひさまの家』を開設にあたり、リフォーム資金などの捻出のために、2016年にもクラウドファンディングに挑戦しました。
その頃活動がテレビや新聞などに取り上げられたこともあり、順調に寄付が集まり始めました。
「これで何とかフリースクールがスタート出来る!」そう思った矢先の約1ヵ月後、無情にも熊本地震が。それまで順調だった寄付はすっかり止まります。
「活動に強く賛同する。是非東北の子ども達の学校を創る為に寄付をしたい」と意思表明をして下さっていたいくつかの組織から「熊本に支援をすることになったから」と連絡。当初の寄付の話は全てなくなりました。
仕方がありません。私自身も熊本に遠い親戚がいて大変気がかりでしたし、東北の支援だけでいっぱいいっぱいで、熊本に何の支援も出来ないことに心苦しさを感じてました。
それから一年、「まだ東北の子ども達も大変なんです。まだまだ支援が必要なんです。」と言えない日が続きました。 しかし、不登校の子どもを抱えたお母さん達から沢山の相談が来ます。支援で外に出られるようになっても、義務教育を終えた学齢の子ども達には戻れる場所も学習支援の場もなく、どの子どもも困っていました。 大変苦しい一年でした。
そして一年経った時、改めて資金を募る決心をしたのです。
何年も閉じこもっていた子ども達の心のケアには時間が必要です。
長期的な視野に立ち、一時しのぎでなく使える建物が必要でした。
私たちは土地を確保して建設する決心をしたのです。
東北で見積もりを取ると、建設費が高騰していることもあり、本校舎の建設費として8000万円が必要だと分かりました。しかし、私たちのような小さなNPOが、8000万円もの資金を一度に集める自信はありません。
そこで、少しでも早く子ども達の居場所を創る為にまずは離れの『音楽室』から作ることにしたんです。
そして、2017年にREADYFORでチャレンジした『あの日から不登校になった子どもの為にフリースクールを創りたい』第一弾では、多くの方にご賛同いただき、お陰様で目標金額1,200万円に到達することが出来ました。
ご支援いただいた皆様には本当に本当に、心から感謝しています。
しかもこの挑戦はREADYFORアワードで優秀賞をいただくことが出来ました。
被災地では建築費の高騰だけでなく、建設関係の人材も不足していて着工さえも思ったように進まず、カメのような歩みでしたが、何とか2018年2月に音楽室が完成しました。
少しでも費用を抑える為に、ボランティアを募りペンキ塗りと床のワックスがけはボランティアでやりました。集まってくれた仲間には心から感謝です♪
楽器は全て頂き物です。ウクレレは40本もあります! まだまだ募集中。気軽に楽しめそうなカホーンとか、ヴァイオリンとかチェロとかも募集中です。
私たちはサポート校の建設と共に、『不登校・引きこもり解消支援』にも力を入れてきました。その結果、独自のメソッドを実践したご家庭の小中学生の子どもは全員再登校しています。その数はこの5年間で約120名以上になりました。
しかし、残る課題は高校生以上の子どもへの支援です。 高校生になると出席日数が足りなくなり退学せざるを得なく、その後ほとんどの子どもが通信制高等学校に編入します。しかし、たった独りで卒業まで頑張れる子どもは少なく、全国の卒業単位取得率が76.7%なのに対し、岩手県の通信制高等学校の卒業単位取得率はたったの47.3%で、多くが再び不登校や引きこもりの戻る傾向があります。一度不登校になった子どもが、仲間もなく自宅で独りで頑張れる子どもは少ないのが現状です。サポート校との提携が多い私立校では89.2%となっています。このように卒業単位取得にはサポート校の果たす役割が大きく、卒業できた子どもの多くが、サポート校で学習支援を受けていることが分かります。こういった若者を救う為に、高校卒業単位取得できるよう学習支援を行い、再び引きこもりに戻らないよう、生き抜く力を育む為のサポート校を開設し、その後の進学や就労に結び付けたいと思っています。
実はずっと一般に知られている『フリースクール』という表現を使ってきましたが、正確にはフリースクールとサポート校は違います。
『フリースクール』が主に小中学生を対象としているのに対し、『サポート校』は通信制高等学校の卒業単位を取得できるように学習支援を行い、サポートする為の学校で居場所も兼ねています。今、少子化にも関わらず不登校が増えていることから、サポート校の数も年々増えています。
マザーリンクで創ろうとしているのは、この『サポート校』になります。
そして、私たちのサポート校の特徴として、卒業後再び引きこもりになる可能性は極めて低いということが言えます。通常は不登校・引きこもり解消支援とサポート校の両方を行っている支援団体はほとんどありません。もしかしたら、まったくないかもしれません。また、サポート校に入学しても、メンタル面の課題を克服しないまま入学する生徒が多く、そこでも半分くらいの生徒が通い続けることができないという課題があり、中には週一コースがあるくらいです。しかし、マザーリンクでは『引きこもり解消のメソッド』を持っていることから、メンタル面の課題を克服してからの入学となるため、『毎日通うことを前提としたサポート校』となります。メンタル面での課題を克服しているので、卒業後に再び引きこもりになる可能性がほとんどないと思われます。
不登校から通信制高等学校に進学する子どもが多いのですが、一人ではなかなか卒業まで頑張れません。
通信制高等学校に進んで子どもの半分くらいが卒業を断念するそうです。
そういった子ども達が何とか卒業まで頑張れるように、どの通信制高校の子どももサポートするサポート校です!
学校名は地元の中高生にアンケートを取り『高田国際高等学院』に決定しました!
まだ音楽室しかありませんが、ワークショップを開催したり、地元の中学校や高等学校とも連携しながら不登校の支援もしています。
適正価格で引き受けてくれる業者さんが見つからずに、地盤調査が終わるまで2か月も掛かったり、予算内で引き受けて下さる業者さんが見つからなかったりと、着工が大幅に遅れてますが、間取り図も出来上がり、建築許可に向けて設計図を作成中です。土地の購入については難航しましたが地主さんと交渉が成立してあとは契約だけになりました。
土地の購入費が集まり、、建築許可が取れたら、いよいよ工事着工です!
必要な資金を集め、実際に建築するまでには時間が掛かります。
しかし、子どもたちの状況は待ったなしです。
そこで、何度かに分けてクラウドファンディングに挑戦します。
学校に行けなくなった子ども達に必要なのは心を癒せる空間です。
風景や空間は人の心を癒します。
疲れた時、ほっと一息つきたい時。
学習室の他に、アートセラピーが出来る美術室、思い思いに過ごし心を癒せるリビングのような空間、自ら学べる力を養う為の図書室、プライシーの守られる相談室等を備えたフリースクールにしたいと計画しています。
家庭的な雰囲気だけど校舎です。子ども達が誇りを持って通えるような空間にしたいです。
第一弾:心を癒すことを目的とした音楽活動の為の音楽室 完成!
第二弾:地盤改良や本校舎の基礎工事と棟上げと屋根の工事まで 進行中!
第四弾:1階教室部分のキッチン設備、トイレ、エアコンなどの設備、階段等
第五弾:2階の宿泊スペースの壁、キッチン、リビング、トイレ、お風呂など
今でも岩手県沿岸部にはサポート校は二つしかありません。
陸前高田まで通えない子ども達も沢山います。
そういった子どもが週のうちの何日か宿泊しながら学習出来るようにするために、宿泊スペースも必要です。
『ひとり親家庭支援』と『不登校・引きこもり支援』の活動をしながら資金を集めるのは本当に大変です。まだまだ遠い道のりですが、私たちの一歩一歩をご支援ください。
東北で被災した子ども達の中には、まだまだ支援が必要な子どもがいます。
心の問題は長期戦です。
一人でも多くの子どもを救う為には、『心を癒せる場所』と『学習支援出来る場所』が必要です!! 皆様のお力で実現出来た第一歩、無駄にしてしまわない為にも、 引き続き私たちの活動にご賛同いただき、ご支援をいただけたら幸いです。
人はひとりでは生きられません。
人の輪の中で生きて、 泣いて、笑って、恋をして、 友達とぶつかったり、励まされたり、 傷つけたり、傷つけられたり、 パートナーを見つけて、家庭を作って、子育てをして・・・・ 助けられたり、助けたり
それが人生
不登校や引きこもりの子どもたちがいずれ人の輪の中で生きているように社会に送り出すこと、それが私たち大人の大切な役割だと考えています。
外に出られたら、その子どもには素晴らしい人生があるに違いありません。人生はいろいろあります。
悲しいことも嬉しいことも。そういったことも含めて、人生は素晴らしいと知って欲しい。
生きるとは寝て起きて、ご飯を食べて、というだけではありません。
社会に出て、迷惑を掛けたり掛けられたり、助けられたり助けたり、人の輪の中で生きることにあるはずです。
そういった子どもたちに伝えたいのは生きることの素晴らしさです。
いろいろあっても、人生は素晴らしい と知って欲しい。 どうかこの先、一生引きこもりの生活が続くことがありませんように。
それが私の願いです。
2013年6月~ 陸前高田、大船渡、気仙沼の仮設住宅を対象に世帯調査を実施し、約215世帯のひとり親家庭や里親家庭の状況を明らかにし、個別訪問で支援活動を開始。傾聴、相談、アドバイス、ひとり親家庭対象の支援についての情報提供、フードバンクとの連携により貧困ひとり親家庭を対象に食糧支援、衣料支援、就労支援等を実施
2016年7月~ 2015年秋、ひとり親家庭の訪問支援の中で、被災地域でPTSDや家庭環境の変化などにより不登校や引きこもりになった子どもが多いことに気づき、2016年7月より不登校・引きこもりの支援を始め、これまで30名近い子どもを再登校に導いた。
2016年夏 夏休みの間けにひとり親家庭の子どもが家でひとりぼっちになりゲーム三昧になったり、生活が不規則になったりすることから、夏休み明けにひとり親家庭の子どもの不登校が増える。
防止策として東京の外国人家庭に夏休みの2週間、ホームステイするというプログラムを実施。昼間は英会話のプログラムや世界を学ぶプログラムを受け、充実した2週間で帰る頃にはホストファミリーの英語がほぼ理解できるようになった子どももいたりと、どの子も大きく成長した。
相談が多すぎて対応しきれないことから、2017年より支援者や学校関係者を対象に支援者の養成をスタート。定員15名に対し50名近い申込みが殺到。支援者も学校関係者も長年解決しない不登校に心を痛めています。これは4日間の養成講座の写真。1day講座を数回開催し、「詳しく学びたい」という要望に応えて4日間の養成講座を企画しました。
子ども達の笑顔を取り戻し、未来に繋げる為に、どうか皆様のご協力をお願いします。
最後までお読みいただき誠にありがとうございました。
これは以前のリターンです。。返礼品があると寄付控除が受けられなくなるため、皆さまが寄付控除を受けられるようにするために、現在は返礼品をなくしました。寄付控除については最寄りの税務署にお問い合わせください。寄付控除は確定申告をすることで受けられます。
金額に応じて、マザーリンクのスタッフがデザインしたオリジナルネームプレートと支援者一覧の看板へお名前を掲載します。
10年20年経った時も皆様の子どもたちを支援した証になります。
10年20年経った時も皆様の子どもたちを支援した証になります。
東日本大震災の被災地に創るフリースクールの建築費を募るクラウドファンディングはこれで4回目です。
第一弾:Readyforページ(外部サイト)
第二弾:Readyforページ(外部サイト)(不成立)
再び、第二弾:Readyforページ(外部サイト)
二回目は不運にも私がSNSが使えなくなり告知が出来なかったり、 怪我をして告知に回れなかったこともあり、不成立に終わりました。
しかし、それまでにご協力いただいた皆様からの励ましもあり、 今回は第三弾に挑戦することにいたしました。
これまでご支援をいただきました皆さま、 そしてカメのような私どもの活動を暖かい目で見守り続けて下さる皆さまには心より感謝しております。
今回の挑戦以降もまだ第三弾、第四弾・・・と続く予定ですが、再び暖かい目でご支援をいただければ幸いです。
実行者 NPO法人マザーリンク・ジャパン 代表 寝占理絵
2019年12月に認定NPO法人となったこともあり、返礼品なしのプランのみとなっております。受領書はご寄付いただきました翌年の1月にお送りいたします。確定申告することで最大で寄付金額の約50%の寄付控除を受けることができます。詳しくは最寄りの税務署にお問い合わせください。
以前の返礼品の詳細はこちら >>
寝占理絵 (マザーリンク・ジャパン代表)
震災から東北へ支援を続け、6年半陸前高田の仮設住宅に住みながら支援を行ってきました。昨年夏に仮設を出てからも支援を続けています。自らもシングルマザー。被災地域で『子どもの貧困対策』、『ひとり親家庭支援』、『不登校・引きこもり支援』等を行っています。
プロフィール写真提供先:佼成出版社